「泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ」という本が面白いです。
将棋という舞台の本ですが、将棋ができるできない関係なく読めるようになっています。
しかも、「将棋」というものに対してのモチベーションやメンタルなどの精神力は、まさにトップアスリートのような一流の価値観があると思います。
2018年秋には松田龍平さんが主人公のしょったん(瀬川晶司さん)役だそうです。
将棋ブームは波の様に一定のリズムでやってくるような気がしますが、最近は松山ケンイチさんの「聖の青春」など最近は映画界も将棋ブームに追い風を吹かせている気がします。
ここがおもしろい
・ストーリー展開が、現在の壁→回想 →解決のように続きが気になる工夫が盛りだくさん
多分こうなのかなと想像して読み進められるのでより記憶に残りやすい作品でした!
・将棋業界のことがわかる
プロの将棋士になるには、奨励会というところに入り勝ち上がらないといけないのですが、年齢制限があるなど。
さらに、そこで戦う主人公の葛藤。プロの世界は奨励会という狭き門をくぐった人のなかでもさらに一握りだけだそうです。
プロという高跳びのバーをスレスレで飛び越えられる人もいれば、ギリギリ超えられずにバーを落としてしまう人もいると思います。
奇才・天才の中でもこの高跳びのバーがどれほど高いものなのかが、主人公庄司さんの心情を通じて伝わってきます。
・いまやすっかり忘れてしまってるけど、誰しもが人生のターニングポイントがあると気づきました
なぜ「泣き虫しょったん」だったのか、どういう出来事があって今があるのか。ということを考えて読んでくうちに、たしかに今の自分を形成したのは過去の出来事だなぁとおもいます。
・「人」というテーマ
仲間、恩師との出来事は、壁にぶつかったときに壁を突破するきっかけになる。
・「将棋って不思議だよね。プレッシャーがなくなったとたん勝てるようになるんだよね」
将棋だけではなくて、プレッシャーは身近なあらゆるところにあると思います。
仕事の成果・目先の勝ち負け・収入UP。
しかし、人は絶対勝たなければ!絶対損したくない!と必死になればなるほどスランプになることがあります。
「プレッシャーからの解放」のびのびと勝負に挑める土鍋のよう広く深くにずっしりと
した心構えとは?というものが将棋という世界を通して伝わってきます。