漫画、花の慶次を読んで以降、武士(いくさ人)のかっこよさに魅かれています。
いつもどおり本屋をルンバの様に店内に置かれている棚をくるっと回っては次の棚へと見回っていました。
そこでふと興味をそそる表紙を見つけました。
慶次郎。
前田慶次の小説だ!とおもいました。
歴史は嫌い( ;∀;)
僕は、小学校のころから社会の授業が特に嫌いでした。
何年に誰が何をした。ということしか書いてないので全く興味がわかなかったです。
むしろ、他人にあんまり興味がない子供だったのかもしれません。
何年に誰が何をしたのかなんて、過去を特定する行為自体意味あるのかと思いました。
あまり深くは考えていなかったので、暗記の授業と置き換えていました。
大人になるにつれ、その歴史上の人物はどんな背景で育ち、どんな印象の人だったのか?
なぜこんなことをしたのか?そういう「個人」を含めて気になるようになりました。
たぶん、専門学校で税理士試験の勉強をしていたころ、「これって何のための勉強なんだっけ?」と思ったころから、「事実とその事実が起きた背景(原因)は何だろう?」と思うようになりました。
専門学校は「試験に合格すること」が目的なので、なぜこの法律ができたのか。
どんな議論があったのか?
結果論ではAかもしれないが、実はB案やC案もあったけど、〇〇という理由があって不都合が生じ、A案の方が日本経済の動きとマッチしているからAという法律ができた。ということがわかっていた方が社会に出てから役に立つと思います。(試験でも、応用問題の時は、その根本がわかってるとおのずと矛盾のない正解ルートに導いてくれるのですが、、)
ここがおもしろかった!
話をもどして、この「慶次郎、北へ」は、前田慶次と直江兼続の会津攻めを、臨場感あふれる疾走感で表したものです。
上杉軍VS徳川軍というものが描かれています。
この話の大きなテーマは「漢」であると思います。
天下御免の傾奇者(豊臣秀吉がこいつはやばすぎるからもう何やっても許す!と言わしめるレベルの称号?)前田慶次のもとに仕えることとなった六十郎という少年(青年)目線で進んでいきます。
圧倒的なパワーを持ちつつとにかく変わり者の前田慶次の数々の伝説と、少年が前田慶次や直江兼続、上杉景勝という大人の中でも威厳高き「漢」とよばれる人物を身近で接することにより徐々に成長していくというストーリーでした。
面白いポイント
・エビデンスの充実(知識につながる小説)
物語としては、〇〇という書物にこういう事実が残されているといった文がちょこちょこ入るので、小説の世界観には入りにくいです。
歴史を知るという点では優れているのではないかと思います。
・実父をしらない六十郎の心の心情の変化が物語感を創り出す
歴史という事実をベースに作られた小説なだけに、現実から離れないように、歴史として残された部分を忠実に表現しつつも、見えない部分を作者の考察から作られていると思います。そのなかでも六十郎という主人公が
・短い
描写や情景をもっと分厚くしても良いのではないかと思いました。
330ページほどで適度なボリュームでしたが、城や部屋のサイズはどのくらいの規模なのか?移動時はどんな情景なのか?よく水戸黄門などででてくような街の雰囲気なのか、もっと家と家の間隔があいてる田舎なのかなど些細な描写がもう少し入っていても良いのではないかとおもいました。
事実をメインにしたときに、わからないことを描くことはよくないことなのかもしれませんが、リアリティという味付けに作者の味をもう少し加えてほしい印象を受けました。(あっさりがいいのかこってりがいいのかという好みの差でしょうか"(-""-)")
花の慶次ファンなので、ついつい漫画で読んだシーンを想像しつつ読んでしまいましたが、歴史を知るときに、一個人の生い立ちをスポットをいれてそこから広げていくのも良いのかなと思いました。
歴史の教科書には、その歴史での道徳・人の生き様というものが入っていたら楽しめてたかもしれません。